15歳になった、アイザックスターンホールのパイプオルガンを紹介します


by miyazaki-organ
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作業終了

終に作業終了の日を迎えましたemoticon-0137-clapping.gif

ちゃんと劇場職員によるヒアリングと検査が行われます。
須藤さんの報告書をもとにオルガンの中で作業箇所の説明を受けている様子。
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音を聴いてもらうために私も演奏させていただきました。emoticon-0159-music.gif
久しぶりというのと、作業の様子を追ってきただけに、感動もひとしおの瞬間でした。
以前とのタッチや発音そして音色の違い、一つ一つが、この3ヶ月の結晶だと思うと
改修スタッフの皆様への感謝の気持ちを噛みしめながらの試奏でした。

そして、もう一つの披露演奏。
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改修スタッフの某Sさん。
バッハのトッカータとフーガニ短調がアイザックスターンホールに響き渡りました。
休みの度に練習されていたんですよ。
オルガンを習い始めて3ヶ月とは思えませんemoticon-0159-music.gif

皆さん、本当に本当にお疲れさまでした!!     (K)

この成果を披露できるのは4月19日の改修記念オルガンコンサート
是非足をお運び下さい!
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by miyazaki-organ | 2009-03-31 18:35 | 作業内容

整音作業の友

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整音作業に入ってから、オルガンの中にはこんな籐の椅子が置かれるようになりました。
なぜこんなところに小さな椅子が?と思っていました。

これは、須藤さん専用の椅子です。狭い場所での作業にも好都合の整音作業の友。
古道具屋で見つけたのですが、座面が切れていたため普通は購入できないところを、
お願いして買い取り、ご自分で修復し愛用しているという須藤さんらしい逸話つき。

次の写真の大きなパイプには、背面に鉛の板が貼ってあります。
このような低音の大きなパイプは、弾いていても振動しているのを感じます。
それくらいパイプ本体が振動しているのでうまく発音できず、以前から気になっていたそうです。
この板を張ることで振動が抑えられ、綺麗な発音を得ることに成功したそうですemoticon-0137-clapping.gif
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これも須藤さんに提供していただいた写真。
最後の最後まで有り難うございます。
これも音を出すのが楽しみなパイプの一つですねemoticon-0115-inlove.gif    (K)
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by miyazaki-organ | 2009-03-31 18:08 | 作業内容
ストップには、音の種類などが書いてありますが、ここの部分も羊の皮です。
直接書かれているわけではないんですよ。
皆さん知ってました?

その張り替え最中の写真です。
見てびっくり!
こんなに新しくなって!emoticon-0171-star.gif
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左の白く光り輝いている方が新、こうやって比べると15年の蓄積が伺える左側が旧、
そして一番左の列の上から6番目のストップは名無しさん(張り替え中)。

革好きの私としては、こうやって過去の時間を含んでいくのも魅力の一つだと思いますが、
今回は全て張り替えて、とっても見やすくなりました!

外観から改修の変化がわかるとしたら、やはりここでしょうか?    (K)
  
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by miyazaki-organ | 2009-03-31 17:08 | 作業内容

延長したパイプのその後

1月14日にお伝えした、半田付けでパイプを延長していました。
その後、もとの位置に戻されていましたが、
整音されて立派に音が出るパイプになりましたemoticon-0159-music.gif
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パイプ先端の色が切り替わっている部分が継ぎ足したところ。
パイプを調律するとき、先端をいじって少し内側に曲げたりします。
今回延長したのは、先端部分を取り替えて、新たに調律するためでもあったそうです。
少し長めに延長したので、最も良い音が鳴る長さに切ったりしながら調整していきます。
写真では先端がめくれていますが、実際のパイプの長さはそのめくれているところまで。
つまり、パイプの長さによって音高が変化するわけですが、
その音の高さを決める部分になるわけです。
外観からは見えない変化が、オルガンの中では着々と起こっていますemoticon-0100-smile.gif
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by miyazaki-organ | 2009-03-27 21:03 | 作業内容

整音の様子

いよいよ、作業も大詰めです。
そんなお忙しい中、またまたS親方から貴重な写真を提供していただきましたemoticon-0159-music.gif
有り難うございますemoticon-0139-bow.gif

ミクロの世界の回では、フルー管の歌口を切って整音する様子をお伝えしましたが、
こんな方法もあるんです。

ほそ~い棒で、虫眼鏡が必要なのでは?と思われる、これまたほそ~いフルー管の
先端部分を押したりして調整しています。
これも”ミクロの世界”ではないですが、ほんのわずかな動きで音が変わります。
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調整するのは先端部分だけではありません。
このフルー管、歌口も小さいですね~emoticon-0126-nerd.gif
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そこにも魔法の棒が…
下唇をいじっています。
ケルンと下唇の間、
風の通り道の調整です。
音を出す時に要に
なる箇所なので、
金属管を作るワークショップ
では、この部分を作るのに
冷や冷やさせられました。




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今度は、上唇を上に押し上げて
いるのだと思いますが、
見ていても、
動かしてるのか、
動かしてないのか、
良く分からない程の
動きなのです。
もっとも、
このレベルの調整になると、
”動かす”というより
”感覚”なのでしょうね。          (K)
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by miyazaki-organ | 2009-03-25 11:44 | 作業内容

見学会

昨日は、オルガン改修ツアー。
4月19日の「改修記念コンサート」のチケットをご購入下さったお客様の中から
応募のあった19名の方がご参加くださいました。

最初はホールのロビーです。
"手押しふいご"で音を出す小さなテーブルポジティフを使って
オルガンの構造の説明から。
この、かわいらしいオルガンも親方の制作です。
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この後、ホールの中で作業中のスタッフさんに
説明してもらったり質問したり

オルガンの中まで見学したのですが
ツアコンするのに夢中になってしまって
ツアーの模様の写真が撮れてません。
とほほほほ…。
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約一時間の見学が終わって
最後に須藤さんへの質問コーナー。
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「え、僕もしゃべるの?」
なぁんて言っていたわりに
皆さんからの質問に
とっても丁寧に答えてくれる親方でした。

ツアーにご参加下さった皆様
ありがとうございました。
4月19日もお楽しみください!

以下はツアーで配布したパンフレット。
(画像をクリックすると大きく見れます)
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ところで
そんなツアーの開場直前
ロビーで作業する二人組みが…。
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夏場はピッタリなんだけれど冬になって乾燥すると
ふいごから風を送った時に
パレットボックスの蓋が外れてしまうので
皮を貼って閉まりをきつくしているところです。
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このテーブルポジティフは
劇場の資料室に展示してあるので
いつでもご覧いただけます。
試奏も出来ますよ!(M)
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寄贈 竹井成美
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by miyazaki-organ | 2009-03-16 13:40
当劇場の機関誌"くれっしぇんど"の最新号に、
4月19日(日)の「改修記念オルガンコンサート」に出演される、大塚直哉さん
特集されています。

ページをめくるとそこには大塚さんの爽やかな笑顔がemoticon-0100-smile.gif
是非ご覧ください!

詳細はこちら→くれっしぇんど3,4月号

改修記念オルガンコンサート情報はこちら

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by miyazaki-organ | 2009-03-13 18:41 | 催し物情報

木管の口切り

昨日の作業の様子です。
写真提供は、親方とYさん。
作業に立ち会えなかった我々のために、写真を提供していただきましたemoticon-0111-blush.gif
いろいろとご配慮いただき、感謝感謝です。emoticon-0142-happy.gif

より良い音色作りのために、第3鍵盤のPrincipal8'を第一鍵盤に移設しましたよね。
実はこのPrincipal8'は、C(一番低いド)からc(1オクターヴ高いド)の間の音が、
もともとありませんでした。
そこで、新たに木管のパイプを作ってきました。

しかし、音は実際にホール内で出して響きを確認しなければ決定できません。

そこで、現場で調整できるように少し長めに作っています。
パイプを実際鳴らしてみて長さを決めます。
第1鍵盤のパイプ群は3階にあるので、何度もパイプを上げ下げしなければなりません。

えいっ!
のこぎり使用emoticon-0165-muscle.gif
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歌口の高さを図面で割り出したら、コンパスで測り、
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実際に削っていきます。
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最後に、歌口の下の部分を塞いで、出来上がり!
この部品も、もちろん手作り。
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このパイプたちは、Yさんの作品です。

私も、先日の金属管を作るワークショップに参加しましたが、
たった1本でも、あれこれ苦労して1日がかりで作ったパイプは愛おしいものです。
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by miyazaki-organ | 2009-03-11 12:46 | 作業内容

金属管作りました


昨日は、改修作業の合間をぬっての
須藤オルガン工房主催「金属管を作るワークショップ」。
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8名の受講生が参加しました。
講師は須藤さん。
それに改修スタッフの皆さんです。

作ったのはPrincipal 8’の小文字の1点”c”。
なんとこの金属板から作るんですよ!
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ホントに出来るのかなぁ?

製作過程の説明をする親方。
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まずは、練習用の短い部材を使って
パイプの円筒を作る練習です。
棒に金属板を巻き付けてコンコンたたいて整形します。
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そして半田付け。
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これが難しい!
パイプの素材は半田付けに使う半田と同じ錫と鉛の合金です。
半田が熱で溶けるように、パイプの本体も熱に弱い。
金属板の表面には半田がつかないように塗料がぬってあるんですが
半田を付ける部分だけ塗料を削ってくっつけます。
なにしろ扱うのが初めての大きなコテ!
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どうですか?
それでも思っていたより上手にできたのでは…
と、思っていたらこれが甘かった!

本番用の長いパイプになったとたん、あちらこちらで
穴が開いたり、曲がったり。
「これどうしましょう?」
「こんなになっちゃったんですけど…。」
と言う声が聞こえてきます。
その都度、スタッフさんたちのレスキューが。
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そして、足を作ってケルンを付けて
足とパイプをつないで、歌口の上唇を切って…ふ~っ。
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最後に親方に整音と調律をしてもらって。
見事、8本とも音が鳴るパイプが出来上がりました。
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須藤さん、スタッフの皆様、お疲れ様でした。。。

そういえば
親方のご子息がワークショップの専属カメラマン(?)として来宮。
素敵な写真を撮ってくれたのでした。
「ワークショップを撮る」
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しかし、あの半田付け。
スーッと上手くいったときは、相当な快感。
やみつきになりそうです。
「半田付け、上手くいくと気持ちいいですよね。楽しいなぁ。」
「でもね、音色一列分やってみてよ。56本でしょ、いやになっちゃうから。」
…そりゃそうですね。

(M)
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by miyazaki-organ | 2009-03-08 16:50

冬来たりなば


まずは前回の"チャタートン"について。

【チャタートン】
 正式な名称は”チャタートンコンパウンド(Chatterton’s Compound)"。
 防水絶縁用途の混合物。
 初期の海底通信ケーブルに使われていたとか。

 グッタペルカ - ゴルフボールなどに用いるゴムに似た物質。
 ロジン     - 松やにからテレビン油を蒸留した後の残留物。
             バイオリンなどの弓に塗ったり
             野球でピッチャーなどの手にすべり止めに用いる。
 タール     - 石炭・木材を乾留して得る黒色の油状液。

 を混合したものということ。
 こちらに若干の情報があります(英語です)。
 http://en.wikipedia.org/wiki/Chatterton's_Compound


さて、昼下がりの親方との会話。

- リード管の整音って難しいですね。
「うん、あれはねぇ。やってみないと分からないからねぇ。
当たりをつけて、とにかく色々やってみるしかないんだよねぇ。」

ということで、今日もリード管のお話です。

一輪ざし?
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いえいえ、これもリード管の足(ブーツ)なんです。
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リード管の大きなパイプ(16'や32')には
木製の足を使うんだそうです。

だから、パイプも大きいです。
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ペダル鍵盤のパイプ、"Posaune 16’"。
低音のパイプです。

途中で曲がっていたりもして
いったい何メートルあるんだろう。
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上からも吊ってあります。
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共鳴管を外すのも2人がかり。
はしごに昇って上に引き上げています。
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リードも大きい!
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ところで、この一輪ざし、右側の一面は皮張りです。
しかも、なにやら仕掛けが…。
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これは、音の鳴り始め…
つまり、リードの振動の動き始めを
補助するためのスターターだとか。
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こんな仕組みになっています。
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リード管の発音の原理は
最初に風が入り共鳴管に抜けていくときに
リードの内側の圧力が下がることで
シャロット側(内側)にリードが引き寄せられます。
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その後、リードはその弾性で外側に戻ります。
この動きを繰り返すことで振動が起こります。

このリードを押さえている棒は、
リードが最初に内側に引き寄せられる動きを
補助しているわけです。

リードが振動を始めると
つまり足の中に風が溜まると
皮が膨らんで、棒はリードから離れます。

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低い音を出すための、大きく重くなったリードに
"速い発音"をさせるための仕掛けなわけです。

これは、実際の足の中。
リードを押さえているシャフトが分かります?
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そして、風を送っているところ。
右側の皮の部分が少し膨らんでいるの…分かります?
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なにげに凄い仕掛けです。
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しかし、リード管の整音は難しい。
今日のこのパイプは
どうやら発音が上手くパイプに共鳴していない様子。
試行が続きます(嗚呼…ここにも試行の様子が)。

- なかなか上手くいかないですねぇ…。
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「いやぁ、山あり谷ありですね。」
- いまって谷ですか?
「そうですねぇ。でも、法則が見つかれば上手くいきますから。
次は別の方法を試してみます。」
- どうするんですか?
「うん、でもその前に…夕食の買い出しに行きましょう。」

百折不撓!
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              (M)
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by miyazaki-organ | 2009-03-06 18:53