15歳になった、アイザックスターンホールのパイプオルガンを紹介します


by miyazaki-organ
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カテゴリ:作業内容( 26 )

報告書

昨日、改修スタッフの皆さんが荷物の搬出を終え、無事に帰途につきました。
もうそれぞれご自宅に到着されたでしょうか?
どうぞごゆっくりお休みくださいね!

3ヶ月間の長きにわたり改修を続けられただけではなく、時には我々のブログの取材に、
またある時はマスコミさんの取材にもお付き合いしてくださいました。

このような貴重な現場に立ち会わせていただき作業を目の当たりにして、
皆さんのお人柄に触れるにつれ、とても楽しくなり001.gif、そして勉強になりました。
専門的な知識・技術の他に、気力、体力共に充実していないと
出来ない仕事だということも実感しました。

このブログも、何よりも皆様のご理解のがあったからこそ続けられました。
この場をかりて感謝申し上げます040.gif

さて、須藤さんから大規模改修の報告書をいただきました。
このブログでご紹介できた内容も、そうでない内容もあります。
どうぞご覧ください。(画像上でクリックすると見易い画面が立ち上がります。)

もちろん、全作業内容を数枚の報告書に収めるのは難しいですよね。
また、後日、詳細な報告書を作成してくださるそうです。
何十ページになるのでしょうか…何百かも?

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こちらはポジティフオルガンの作業報告書です。
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私の仕事は、これらのご苦労に報いるためにも、4月19日の改修記念オルガンコンサート
素敵な演奏会になるようすることです。
改修スタッフのみなさん、また機会があるときはオルガンを聴きに
是非遊びに来てくださいね!060.gif
もちろん、4月19日もお待ちしております。                   (K)
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by miyazaki-organ | 2009-04-04 17:08 | 作業内容

作業終了

終に作業終了の日を迎えました038.gif

ちゃんと劇場職員によるヒアリングと検査が行われます。
須藤さんの報告書をもとにオルガンの中で作業箇所の説明を受けている様子。
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音を聴いてもらうために私も演奏させていただきました。060.gif
久しぶりというのと、作業の様子を追ってきただけに、感動もひとしおの瞬間でした。
以前とのタッチや発音そして音色の違い、一つ一つが、この3ヶ月の結晶だと思うと
改修スタッフの皆様への感謝の気持ちを噛みしめながらの試奏でした。

そして、もう一つの披露演奏。
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改修スタッフの某Sさん。
バッハのトッカータとフーガニ短調がアイザックスターンホールに響き渡りました。
休みの度に練習されていたんですよ。
オルガンを習い始めて3ヶ月とは思えません060.gif

皆さん、本当に本当にお疲れさまでした!!     (K)

この成果を披露できるのは4月19日の改修記念オルガンコンサート
是非足をお運び下さい!
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by miyazaki-organ | 2009-03-31 18:35 | 作業内容

整音作業の友

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整音作業に入ってから、オルガンの中にはこんな籐の椅子が置かれるようになりました。
なぜこんなところに小さな椅子が?と思っていました。

これは、須藤さん専用の椅子です。狭い場所での作業にも好都合の整音作業の友。
古道具屋で見つけたのですが、座面が切れていたため普通は購入できないところを、
お願いして買い取り、ご自分で修復し愛用しているという須藤さんらしい逸話つき。

次の写真の大きなパイプには、背面に鉛の板が貼ってあります。
このような低音の大きなパイプは、弾いていても振動しているのを感じます。
それくらいパイプ本体が振動しているのでうまく発音できず、以前から気になっていたそうです。
この板を張ることで振動が抑えられ、綺麗な発音を得ることに成功したそうです038.gif
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これも須藤さんに提供していただいた写真。
最後の最後まで有り難うございます。
これも音を出すのが楽しみなパイプの一つですね016.gif    (K)
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by miyazaki-organ | 2009-03-31 18:08 | 作業内容
ストップには、音の種類などが書いてありますが、ここの部分も羊の皮です。
直接書かれているわけではないんですよ。
皆さん知ってました?

その張り替え最中の写真です。
見てびっくり!
こんなに新しくなって!072.gif
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左の白く光り輝いている方が新、こうやって比べると15年の蓄積が伺える左側が旧、
そして一番左の列の上から6番目のストップは名無しさん(張り替え中)。

革好きの私としては、こうやって過去の時間を含んでいくのも魅力の一つだと思いますが、
今回は全て張り替えて、とっても見やすくなりました!

外観から改修の変化がわかるとしたら、やはりここでしょうか?    (K)
  
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by miyazaki-organ | 2009-03-31 17:08 | 作業内容

延長したパイプのその後

1月14日にお伝えした、半田付けでパイプを延長していました。
その後、もとの位置に戻されていましたが、
整音されて立派に音が出るパイプになりました060.gif
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パイプ先端の色が切り替わっている部分が継ぎ足したところ。
パイプを調律するとき、先端をいじって少し内側に曲げたりします。
今回延長したのは、先端部分を取り替えて、新たに調律するためでもあったそうです。
少し長めに延長したので、最も良い音が鳴る長さに切ったりしながら調整していきます。
写真では先端がめくれていますが、実際のパイプの長さはそのめくれているところまで。
つまり、パイプの長さによって音高が変化するわけですが、
その音の高さを決める部分になるわけです。
外観からは見えない変化が、オルガンの中では着々と起こっています001.gif
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by miyazaki-organ | 2009-03-27 21:03 | 作業内容

整音の様子

いよいよ、作業も大詰めです。
そんなお忙しい中、またまたS親方から貴重な写真を提供していただきました060.gif
有り難うございます040.gif

ミクロの世界の回では、フルー管の歌口を切って整音する様子をお伝えしましたが、
こんな方法もあるんです。

ほそ~い棒で、虫眼鏡が必要なのでは?と思われる、これまたほそ~いフルー管の
先端部分を押したりして調整しています。
これも”ミクロの世界”ではないですが、ほんのわずかな動きで音が変わります。
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調整するのは先端部分だけではありません。
このフルー管、歌口も小さいですね~027.gif
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そこにも魔法の棒が…
下唇をいじっています。
ケルンと下唇の間、
風の通り道の調整です。
音を出す時に要に
なる箇所なので、
金属管を作るワークショップ
では、この部分を作るのに
冷や冷やさせられました。




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今度は、上唇を上に押し上げて
いるのだと思いますが、
見ていても、
動かしてるのか、
動かしてないのか、
良く分からない程の
動きなのです。
もっとも、
このレベルの調整になると、
”動かす”というより
”感覚”なのでしょうね。          (K)
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by miyazaki-organ | 2009-03-25 11:44 | 作業内容

木管の口切り

昨日の作業の様子です。
写真提供は、親方とYさん。
作業に立ち会えなかった我々のために、写真を提供していただきました012.gif
いろいろとご配慮いただき、感謝感謝です。043.gif

より良い音色作りのために、第3鍵盤のPrincipal8'を第一鍵盤に移設しましたよね。
実はこのPrincipal8'は、C(一番低いド)からc(1オクターヴ高いド)の間の音が、
もともとありませんでした。
そこで、新たに木管のパイプを作ってきました。

しかし、音は実際にホール内で出して響きを確認しなければ決定できません。

そこで、現場で調整できるように少し長めに作っています。
パイプを実際鳴らしてみて長さを決めます。
第1鍵盤のパイプ群は3階にあるので、何度もパイプを上げ下げしなければなりません。

えいっ!
のこぎり使用066.gif
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歌口の高さを図面で割り出したら、コンパスで測り、
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実際に削っていきます。
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最後に、歌口の下の部分を塞いで、出来上がり!
この部品も、もちろん手作り。
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このパイプたちは、Yさんの作品です。

私も、先日の金属管を作るワークショップに参加しましたが、
たった1本でも、あれこれ苦労して1日がかりで作ったパイプは愛おしいものです。
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by miyazaki-organ | 2009-03-11 12:46 | 作業内容

メンズール

先日の「倍音」の回で、歌口に半田付けしていた金属片の大きさはどのように決めるのか、
という話をしていたら、須藤さんがある図面を見せてくださいました。

このグラフを使って歌口の高さを割り出すそうです。
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もっと近づいてみましょう。
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横軸にC(ド)、D(レ)、E(ミ)…と音名がふってあり、音の高さ示しています。
縦軸が、歌口の高さ(実寸)です。
鉛筆書きで、ストップ名が書いてありますね。
左上の記載は、第2鍵盤のGemshorn8'のことでしょうか?

グラフが完成したら、下線からの高さをコンパスで測り、この高さを元に
歌口を削っていくそうです。
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パイプの音色は、パイプの素材・形状の違いだけでなく、様々なメンズール(Mensur)-長さ・太さ・口唇の幅、歌口の高さ-の違いによって異なります。

このグラフはその中でも特に歌口の高さを示している訳ですが、このグラフを見ても解るとおり、直線で表されているので、音に対して歌口の高さは比例しています。歌口の高さが高くなればなるほど、音は低くなります。
しかし、お話を聞くところによると、グラフは最低音と最高音を直線でつなげば完成という訳ではなく、音によっては微妙に調節をする箇所もあるということです。そのあたりは経験によるものが大きいのだとか。


音が12音(1オクターヴ)高くなると、パイプの長さは半分になりますよね。
歌口の大きさは、音が16音高くなると、約半分になるそうですよ023.gif

また、歌口の大きさとパイプの太さもほぼ比例関係にあり歌口が大きくなればパイプの太さも大きくなります。

今回使っていたコンパス。
大きいのと
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小さいのもありました。043.gif
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必要ですよね。
だって、高さ12㎜のパイプの歌口は何ミリなのでしょう。
もはやコンパスでは測れないかも?                                       (K)
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by miyazaki-organ | 2009-03-01 16:02 | 作業内容

倍音

パイプの歌口にバンソーコのようなものが貼ってあります。
なんかちょっと痛々しいような気もします007.gif
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今日は、ペダルのPrincipal8'のパイプの歌口を狭くして、
より良い音にするために倍音を強くする作業をしていました。

もともとこのパイプの歌口はこの大きさでした(穴が空いている部分)。
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そこに金属片を取り付けて歌口を狭くします。
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半田付け中。
半田付けの作業で熱を加えると、もれなくパイプも溶けて、
気を抜くと穴まであいてしまうので、手早く行います。
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2,3度重ねて半田付けをし、完成!070.gif
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ペダル鍵盤は、30鍵あるので、30本この作業を繰り返します。
パイプが溶けないように気を使いながらの作業だから大変ですよね。
ご苦労さまです!

周波数を調べると音は、基音(単純に言うと耳に聞こえてくる音)と上音(基音以外の音)という音の集合でできています。
上音の中でも、基音の(2以上の)整数倍の周波数の上音を倍音と言います。

倍音にはある法則があって、基音がc=ドだとすると、
第1倍音=基音(
第2倍音=基音の1オクターヴ上の音(c'=1オクターヴ上のド
第3倍音=1オクターブと完全5度上の音(g'
第4倍音=2オクターヴ上の音(c''
という風に続いていきます。

図で示すとこのようになります。
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歌口を小さくすると倍音が強くなって、よりはっきりとした音になります。

これで、また一つ音色が変わりますね。
音を出す日が楽しみです。                                        (K)
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by miyazaki-organ | 2009-02-24 18:03 | 作業内容

パイプオルガンは木と金属と革という天然の素材で出来ているため、
人間と同じように生きています。

木と金属で作られたものは今まで色々と出て来ましたが、
さて革はどのように使われているのでしょうか。

革好きの私は、実は廊下にこんな風に革の山が積まれているの見ては気になっていました。
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色とりどりで見ているだけでわくわくします003.gif
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赤や
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ピンクなんかも。
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これは一体、どのように染めているのか、色によって使い分けしているのかなど思いを巡らせていたところ、意外な事実を聞くことができました。

つまりこれらは、革屋さんに頼んで購入している、端布なのだそう。
よって、こんなに色とりどりの材料が集まるんだそうです。
もちろんビビッドな赤などは使えないのですが、場所によって使い分けしています。
白やベージュといった薄い色は弁のパレットの部分に使っています。
空気漏れがしているとそこにゴミが溜まって目立つため故障がわかるわけです。

その他で、革の使用が目立つのは、ふいごでしょうか。
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オルガンでは主に羊の革をよく使うそうです。
羊の革は柔らかくて、触っているだけで癒されます。
紙と同様に、革も縦と横があって部位によって伸びる方向が違うので、
その特性を利用して使用するのだそうです。

海外のものを使用した時もあったのですが、風化が激しく、
その点日本の革は持ちがいいそうです。なめし方によるとかよらないとか。

ちなみに、動物の皮膚をそのまま剥ぎ、製品として使用したものを皮(かわ・ひ)といい、動物の皮膚の毛を除去しなめしてあるものを革(かわ・かく)というらしい。


この地球のどこかで生まれ落ちた羊ちゃんも、よもや宮崎のオルガンの一部となることになろうとは思わなかったでしょうに、こういう縁もあるのですね。023.gif                (K)
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by miyazaki-organ | 2009-02-21 19:29 | 作業内容